諦めるには値しない
陶太「だから、ようやく言えるから。
日向くん、あの時は本当にありがとう。」
珀斗「ごめん、全然覚えてねぇや。
でも、その時の俺は本当に
トタを助けようなんて思ってないと思う。
トタが飛び降りれば屋上が閉鎖されて
サボる場所がなくなるからトタに
声かけただけだ、多分。
だから、別にお礼なんて言う必要ない。」
陶太「でも、僕は感謝してるから。
日向くんがどう思っていたとしても
僕は助けられたから。救われたから。
お礼を言ってダメな事はないでしょ?」
珀斗「じゃあ、恩返し。
俺が安心してボールを回せる
選手になって。」
陶太「うん。」
僕は本当に幸せだった。
ただ、日向くんと仲間でいられれば
それで良かった。