諦めるには値しない
不動は部室の中に入ると
荷物を手に持ち急いだ様子で
部室から出て来た。
不動が俺を誘った理由は分からない。
でも、俺と昴の会話を聞いて
気にならない奴などいないと思う。
隠す事じゃない。俺たちの過去は
何も恥ずべきものではないのだから。
いつもは一人で歩く並木道に
今日は不動がいた。変な感じがした。
真山「俺と昴は同じ施設で育ってな。」
不動「え?」
真山「何だ?その話を聞くために
俺の事を誘ったんじゃないのか?」
不動「いや、そうですけど...。
まさか真山先輩の方から
話してくれるとは思ってなかったんで。」