諦めるには値しない
何度学校に呼び出されても
警察に補導されても頭を下げてくれて
でも、理不尽な濡れ衣を
着せられた時は自分より
年上の親父に食ってかかって
いつも俺の事を信じてくれた。
ふざけんじゃねぇ。
もっと、最低な奴だったら
今すぐにでも家を飛び出してやるのに。
すぐにでも縁を切ってやるのに。
1人で生きる道を選ぶのに。
ふざけんじゃねぇよ。
そんな定まらない気持ちで
打ち続けたシュートはやっぱり
一本も決まらなくて
腹が立った俺は力一杯
壁にボールを投げつけた。
ーガラガラ
タイミングよく開く扉。
そこにいたのは見知らぬ奴だった。