諦めるには値しない

陶太「さっき、芹沢くんが
僕に言ったんじゃないか!
人は裏切ったり嘘をついたりするけど
だからこそ許し合えるって
そう言ったの君じゃないか!」

だけど、胸クソ悪い事に
陶太の言葉はいつだって胸に響く。

陶太「僕たちには言ってよ!
芹沢くんの事を信じてる
僕たちには少しだけでも
芹沢くんの心の声を
聞かせてくれてもいいんじゃない?」

昴「ウゼェんだよ。てめぇは。
ちょっとばかし俺らと
距離を縮められたからって
偉そうに説教してんじゃねぇ!
同情なんてすんじゃねぇ!」

陶太「同情なんかじゃない!
芹沢くんは、優しすぎるよ。
人の心配してる場合じゃないよ。
僕の方が心配になるんだよ。
お母さんの事、大事だったんでしょ?
大事だからこそ悩んでるんでしょ?」

昴「別にどうだっていいんだ。
俺の事は。他人に心配される
筋合いはねぇよ。
てめぇはてめぇの事だけ考えろよ。」

陶太「大事な人だからこそ
どうでもよくしちゃダメなんだよ!」
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