諦めるには値しない

~真山side~


昴はきっと言うだろう。

お前のお節介にはうんざりだと。
でも、これはお節介ではない。

これは、俺の願いだ。
昴にだけは、どうか幸せになってほしい。

親を知らない俺とは違う。
形はどうであれ本物の親と数年間
共に暮らし助け合い笑い合い
ぶつかり合って生きてきたのだから。

それを憎しみには
変えて欲しくなかった。

真山「お前がまだ
生まれたばかりの頃の話だ。
冴子さんは結婚した男の酷い暴力に
耐えていたそうだ。
冴子さんはお前の命を守るため
泣く泣くお前を手放した。
それが、真実だ。」

昴「自業自得だ。
そんな男を選んだあの女が悪い。」
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