諦めるには値しない

庄司「それでも、昴にぃの
母ちゃんは産む事を決めたんです。
自分の元へやってきてくれた
昴にぃを死なたくなかった。
お腹にいる内も産まれてからも
昴にぃには生きていて欲しかった。
だから、昴にぃが幸せに生きられる場所へ
家森さんの元へ連れて行く事を決めたんです。
昴にぃを手放す時、昴にぃの母ちゃんは
必ず迎えにくると約束したそうです。
昴にぃの母ちゃんはちゃんと
その約束を守ってくれたじゃないですか!」

藤野「戸惑ってるなら
どうしていいのか分からないなら
その気持ちを素直に伝えたら
いいんじゃないですか?」

昴「戸惑ってなんかねぇ。
俺の腹は決まってる。
もうあの女と一緒に
暮らす事なんて出来ねぇ。
どんな事情があったって
あの女が俺を捨てた事に代わりはねぇ。
俺はずっと騙されてた。
素性を隠した得体の知れない女と
家族ごっこをしていた。
ただ、それだけだ。」

でも、俺には仲間がいた。
俺の心苦しさを察した日向が
庄司が藤野が代わりに
俺の言いたい事を言ってくれた。
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