諦めるには値しない

昴「こいつはてめぇじゃねぇんだよ!
てめぇがどんな後悔をしてるのか
その気持ちは分からねぇ。
けどな、てめぇの人生を
陶太に押し付けるな!」

父「子供に幸せな未来を
歩んで欲しいと願って何が悪い?」

昴「あんたは多分、立派な大人だ。
あんたの言う通り、世間は
半端もんを認めちゃくれねぇ。
でも、こいつの幸せはこいつのもんだ。
いい大学に行けなくてもいい会社に
就職出来なくてもバスケットを
続けられさえすればこいつは幸せなんだ。
本気でこいつの幸せを願うなら
こいつのやりたい事をやらせてやれよ。」

父「夢なんて追いかけても無駄だ。
今はそれでいいかもしれない。
好きな事をして好きなように
生きていれば幸せかもしれない。
でも、それがなくなった時
後悔するのはお前なんだ、陶太。」

陶太の父親の言う事には
妙に感心させられた。
俺たちは狭い世界でしか
生きていないから。
陶太の父親の言う夢が見られなくなった
瞬間を知らないから。

理解がなくても親の気持ちなんて
これっぽっちも分かってなくても
それでも昴はいつも一生懸命だ。
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