諦めるには値しない
珀斗「俺の母ちゃんは何度も何度も
男を変えて‥そのせいで何度も
傷付いて‥俺を産んだせいで
母ちゃんが毎日涙を流す人生を
歩む事になった事を俺はずっと後悔してた。
母ちゃんの幸せを願いたかった。
母ちゃんが自分の好きな男と幸せに
なれる人生を望んでたけど、俺を
産んだせいで母ちゃんの
選択肢は狭められてしまった。
歳食ったおっさんとか自分の事しか
考えてねぇチャラついた奴とか
そんな奴としか付き合えねえんだよ。」
俺の想いを汲み取ったのか
今度は真山が身の上話を始めた。
真山「俺は幼い頃に両親を亡くし
親戚に引き取られた。
でも、上手くいかなくて
最低限の支援をしてもらいながら
何とか1人で生きる事が出来た。
でも、あんたと陶太は
同じ屋根の下で暮らしてる。
少しも分かってあげる事は
出来ねぇのかよ?」
昴「もしも、あんたが
陶太の話を聞いてもダメだっつーんなら
それはそれで仕方がない。
あんたの言う通り家族の形は
それぞれだと思う。
だから、とりあえず陶太の話を
聞いてやってくれないか?」