諦めるには値しない
陶太「だったら、日向くんは試合に出よう!
芹沢くん達の分まで一緒に戦おうよ。」
日向くんは僕の言葉に微笑むと
僕の手を強く握った。
珀斗「俺、バカだからさ難しい事とか
お前の気持ちとかよく分かんねぇよ。
でも、ここで行かなかったから
俺は大切なものを失う気がする。
だから、悪い。行かせてくれ!
安心しろ、トタ。試合の時間までには
戻って来るからよ。」
離れる手を、僕はもう一度掴み直す。
陶太「待って!僕も行く。」
珀斗「お前は来なくていいんだよ。
これは、俺と昴と真山と問題だから。
お前まで連れて行ったら
後で昴に何言われるか分からねぇよ。」
僕はポケットから入部した日に
渡された退部届を取り出す。
陶太「芹沢くんはバスケ部に
入部した時に僕にこれを渡してきた。」