諦めるには値しない
真山「お前達と出会ったせいで
死にたいなんて。殺されたいなんて。
いつの間にか思えなくなった。
つーか、お前達と出会ってからさ。
毎晩、母さんの言葉を思い出すんだ。
信じていればいつかこんな風に
どうしようもない俺の元にも
幸せがやってくるんじゃないかって
期待して...でも、現実は
甘くない事を俺は知っている。」
昴が俺の瞳を真っ直ぐと見つめていた。
昴「母親の言葉を信じたいけど
自分が犠牲になってその場が
収まるのならやっぱり自分が
誰の事も信じなきゃいい。
お前はそう思うんだろ?」
真山「...何で、お前が言うんだよ。」
昴「俺もずっと同じ事を思ってた。
自分が何かを諦めて、それで
その場が収まるのなら諦める方が楽だって。
俺たちは今までずっと何かしらの
レッテルを貼られて生きてきた。
ずっとそうゆう環境で生きてきたから。
施設出身ってだけで、盗んでもねぇ
クラスメイトのゲーム機がなくなった時
真っ先に疑われたの俺たちだった。
いじめられてた奴を助けただけなのに
二言目にはこれだから施設の子はって...
先公に言われてた。その度に家森が
謝りに来てよ、俺たちは何にも
悪くねぇのに、いつだって頭を下げてた。
そんな家森の姿にムカついて
俺たちが噛み付いても
家森はいつも笑ってた。」
懐かしい記憶が蘇った。
俺たちは幼い頃、散々
家森に迷惑をかけた。