諦めるには値しない
~昴side~
色んな事があったこの数ヶ月。
俺たちは随分と成長した。
陶太や高杉や藤野だけじゃない。
俺や珀斗や庄司や真山や不動。
全員が一回り大きく成長した。
陶太が幼い頃に描いた夢が
いつの間にか俺たち全員の
夢になっていた。
たかが地区大会の予選。
でも、俺たちにとっては
大切な戦いだった。
ヘタレた弱小部の連中が
夢を諦めた連中が立つ舞台にしては
上等だった。
陶太「芹沢くん、メンバーはどうする?」
高杉「不動のお父さんのおかげで
試合が出来るんだ!
ここは、PFに不動を入れて
お父さんにその姿を見てもらおう。」
昴「メンバーは変えねぇ。」
高杉「でも、ここで不動が
出なかったら無様な試合に
なり兼ねない。僕は譲るよ。」
陶太「そうだよ。芹沢くん!
君が考え抜いて選んだスタメン
なのかもしれないけど
やっぱり不動くんは上手いと思う。
負けない試合にするためにも
不動くんをスタメンにした方がいい。
5年連続、全国大会に出場してる
神宮学園にはどうせ勝てないんだ。
だったら、お父さんに不動くんの
プレーする姿を見てもらおうよ。」