花瓶─狂気の恋─
芽生え

恋は盲目

人を愛する故周りが見えなくなり、理性や常識を失う。

そんなのはただの言い訳。もし何かしてしまった時の言い訳に過ぎない。

"あの人しか見えてなかった"

"あなたが好きだからしたこと"

そんなのもたった一言で方が着く。何て便利で卑怯な言葉なのだろう、そう思っていた一人の少女。

彼女の考えはある日砕けた。ガラスをハンマーで派手に壊すような衝撃的な出来事。
そして見える世界が逆転した。

暗かった日常が一気に輝かしく思え、胸が高鳴る。肌や髪の手入れ、いつもは面倒と思っていた自分磨きがこうも楽しくなっていた。

毎日がドキドキと幸福感で満たされた。これは人生の最高潮、そう確信するほどのものだった。


だが、彼女は知らない。光があるところには必ず闇がある。幸福感で満たされれば満たされる程、近い場所に思わぬ落とし穴がこと。

そしてそれは人としての道理を大きく外れることも...彼女は知る由もない。
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