花瓶─狂気の恋─
「....それが変な勘違いだよ。はぁ...秘密にしときたかったんだけど....私ね、麻紀先輩達の力を借りて悠雅先輩にアプローチしてるの。」
その言葉を聞いて、晶子の顔色は少し明るくなった。
「え?どういうこと?」
「私、千紗先輩があんなんなっちゃって....悠雅先輩のことが好きだけど、千紗先輩の事を思うとどうも気が進まなくて...そんな時に麻紀先輩達が手を差し伸べてくれたんだ。」
「あ、そうだったんだ〜。もう早く言ってよね!私てっきり真帆がいじめられてるんじゃないかと思って焦ったよ〜。包丁持って突撃するところだった〜。」
晶子は笑いながら真帆の肩を強く叩いた。晶子の優しさに真帆は思わず笑ったが、心の中では警戒していた。
晶子....やっぱり晶子は私の友達だわ。勘が鋭いし、思った通り行動する気でいた。晶子にはいつかはちゃんと報告するけど、今はまだ言えない。はぁ....心苦しいな〜。晶子にも応援してもらいたいのに....
そんな真帆の内の感情を知らない晶子は急いで携帯を操作した。
なにやら興奮してずっとニヤけていた。
「ん?何してるの?」
「でっへへへ〜。実は、真帆にご報告がありま〜っす!私、遂に彼氏出来ました〜!大本命の渡井先輩だ〜〜!!」