花瓶─狂気の恋─

晶子は嬉しそうにしながら携帯画面に映ってる渡井と晶子が楽しそうにツーショット写真を見せてきた。


「え!?本当に!?おめでとう晶子!」


「いやいやいや〜、それほどでも〜。」


「え?どうやって付き合ったのよ。教えて?」


「んふふ〜。実はね、渡井先輩も私のことが気になってたらしくて、お互い会話を交わしてたら更に好感度上がって〜。部活終わりに体育館裏に呼び出されて告白されたの!いやぁ〜幸せだ〜、真帆も早く悠雅先輩と上手くいくといいね!この幸せ、真帆にも味わってもらいたいわ〜。」


晶子は身体をうねうねとくねらせながら喜んでいた。
今まで自分の事を気にかけてくれたのが親以外では晶子だけだった。そんな晶子が嬉しそうにしていると真帆自身も嬉しくなった。


晶子には今の段階でも報告してもいいかも知れない。私と晶子は友達、いえ親友。私のやった事を応援してくれて、共感してくれる。何故なら親友だから。


「.......ねぇ....しょ」


「おーい晶子!」


「あ、泰河君!」


悪魔の言葉が囁かれる直前、晶子は誰かに呼ばれて席を立った。真帆は声の先の方へ目線を向けると、茶髪で少しガタイがガッチリとしている男子生徒、渡井 泰河が晶子に手を振っていた。
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