花瓶─狂気の恋─
真帆のテンションに晶子が心配そうな顔をしているのが見え、少し心が痛くなったが真帆は演技を辞めなかった。悠雅とは出来るだけ目線を合わせずに屋上へと向かって行った。
悠雅に素っ気ない態度をするのにはちゃんと理由があった。それは悠雅に違和感を持って欲しかったからだ。
それは後々、雫のプランが終えた後、絶大な効果を得るからだった。
屋上へ上がると弁当を食べている人達がちらほらいた。悠雅はなるべく人がいないところへ真帆を誘導した。
エスコートされているようで真帆は内心テンションが上がっていた。
会話が聞かれなさそうな所に来ると、悠雅は深く深呼吸して真帆を見つめた。
「....聞くのも気まづいし、答えるのも嫌かもしれないけど...真帆ちゃん、最近僕の事避けてる?」
「....なんでそう思うんですか?」
「前みたいに会話する機会が凄い減って、僕が話し掛けようとしてもすぐ離れちゃうし、頻繁にやってる訳じゃないけど部活にも全然来なくなったし...僕、何か気に触ることをしちゃったかな?出来れば教えて欲しい。」
あぁ....来てしまったこの時が...先輩からこんな内容話して欲しくなかった....言いたくない....絶対に言いたくないけど....言わなくちゃ...