花瓶─狂気の恋─
「そんなの知らないよ!こいつ本当にムカつく!どんだけ悠雅さんを諦めずにいんの!?二ヶ月もやってんのに何で懲りないの!?こいつは!!」
麻紀は用具入れからモップを取り出し、何度も叩いた。叩く度、真帆が小さい声で鳴いているのが聞こえる。
「麻紀!それ以上はやめなよ!やりすぎだって!」
「うるさいなぁ!鶴!あんただって最初は楽しんでたんでしょ!?なのに何で止めようとするの!?」
「だ、だって...これ以上やったら誰かにバレるよ....」
そう言われると、麻紀は怒りの表情をあらわにしながら鶴の胸ぐらを掴んた。今まで見たことの無い麻紀の様子に鶴と凛は驚きを隠せずにいた。
「麻紀...」
「鶴、分かって。もう自分じゃあ抑えられないの。本当に憎いし、逆にこれをやってないとストレスでおかしくなりそうになるの。分かってくれるよね?私達友達でしょ?」
鶴は何も言い出せず困った表情をした。ヘラヘラ笑っていた凛も流石に変な空気に飲まれ、緊張していた。
麻紀はパッと鶴から手を離すと、バケツに水を大量に入れると頭の上から真帆に被せた。
「今日は体育着で授業受けなよ〜。あ、最近制服がすぐ汚れるって理由で親に買ってもらえば?」