花瓶─狂気の恋─


麻紀はスイッチを切り替え、いじめに夢中になっていた。鶴はエスカレートしすぎた麻紀の行動を見ることしか出来なかった。
凛はどうしていいか分からなかったが、何となくでスマホを取り出していつものように撮影をし始めた。

そしてモップを再び手に取り、真帆の頭目掛けてモップで叩こうとした時、ある音が女子トイレに響いた。


ブーッ!ブーッ!ブーッ!


スマホが震える音だった。女子トイレが狭い影響なのか、その音はまるで校内放送のようによく耳に入ってきた。
その音は用具入れの上から聞こえた。

鶴は背伸びをして手を伸ばし、用具入れの上にあるスマホらしき物を取り出した。


「あ、あった〜。良かった〜。これで親にバレずにす」


鶴が画面を見た瞬間、鶴はガタガタと震え始めた。顔は青ざめ、プルプルと口元が震えていた。
そんな鶴の様子に流石の麻紀も冷静さを取り戻した。なにか不味いことが起きていると直感で理解した。


「つ、鶴?どうした....の?」


麻紀が恐る恐る聞くと、鶴はプルプルと震えた手で二人に画面を見せた。その画面を見て二人は目を見開く。幻覚ではないかと思ってしまう程衝撃的な画面に、二人は絶望した。

ずぶ濡れになり、小さく丸まっていた真帆は腕と腕の隙間からその様子を見て、ニヤッと笑った。
< 132 / 259 >

この作品をシェア

pagetop