花瓶─狂気の恋─
真帆は本当に気分が良かった。全てが上手くいく事に快感すら覚えていた。千紗に続き麻紀、運命が自分の味方をしていると確信した。
「それで報復は何時するの?今日の夜でしょ?」
「うん。凛とのアリバイ作りが終わってからだから、大体八時くらいかな?まぁあいつらが家に帰ってたらだけど、それは随時連絡する。」
「あら?鶴って子はいいの?彼女は何もせずに終わらせるの?」
真帆は少し間を置いて考えたが、気持ちは変わらなかった。
「うーん....あくまでメインは麻紀だから、取り巻きの二人はある程度でいいや。鶴に関してはもうお先真っ暗確定だから、凛だけもう少し罰を与えるって感じ。」
「そう、分かったわ。じゃあ動くなら動くで電話をかけてね。私もすぐ動けるように準備しておくから。」
雫は相変わらず電話を一方的に切った。それに少し腹を立たせる真帆だったが、あまり考えないようにした。
するとメッセージの通知が一回鳴った。スマホを操作して見ると、それは晶子からだった。
『真帆、少し話があるんだけど今から会える?』
晶子はやはり気付けなかった自分を責めているようだった。それに応じたい真帆だったが、今からやらなければいけないことがあった。