花瓶─狂気の恋─
────────────────────
凛は暗い部屋でボーッとしながらスマホをいじっていた。ただ目に映るだけで内容は何も入ってこない、まるで死体になったように感じる。
三人は教室へ連れ込まれ、生徒指導の先生一人一人に説教をされた挙句、親にも怒鳴り散らされ、被害者である真帆の母親に頭を下げた。その後三人は自宅へと帰っていく。
自分を迎えに来た母親は娘には何も言わずに車を運転した。凛の家族は五人家族、凛はその中で末っ子だった為親達に甘やかされて生きてきた。
だから、今まで見たことの無い親の冷たい態度に凛は涙を流していた。
自分のしてしまった事の大きさ、そして取り返しがつかないという後悔、今後降り注いでくる不幸の恐怖に凛は押し潰されそうになっていた。
「私...もう生きてる価値無いよね〜?....死んだ方がいいのかな...」
自殺を考えてしまう程追い詰められた凛、スマホで「楽に死ねる方法」など検索し始めた時、部屋の窓ガラスに何かが当たる音がした。
凛はその音が気になり、ふら〜っと窓ガラスまで移動して開けた。家の外には黒い服装で顔が見えない一人の人物がいた。
その人物は凛が窓ガラスを開けたのを確認すると、何かを投げ入れてきた。
「キャッ!!」