花瓶─狂気の恋─
真帆は無意識に喋りながらヨタヨタと晶子に向かって歩いていた。目の焦点があっているようであっていなく、真帆の必死さがヒシヒシと伝わる。
まるで洗脳のような感じがして、晶子は後ずさりをしてしまいそうになるが、何とか踏みとどまる。
「...その虫って」
「千紗先輩と麻紀先輩と矢内さんだよ。千紗とかいうクソ女は幼馴染ってだけで悠雅先輩にベタベタ付きまとうんだよ?許せなくない?警察にバレると悠雅先輩との未来が崩壊するから、計画的に殺してやった。晶子にも見せてあげたいよ!あのクソ女が涙流しながら助けを求めてた姿!悠雅先輩を狙ったのに許すわけないのにね!!」
「真帆....あん」
「今度は豚!あぁ麻紀ね?あの豚、私にちょっかい出してきて本当にムカついた!だけど、悠雅先輩の為にわざわざいじめられてる演技して、有効活用させてもらったあと殺してあげた。毒と分かってて食べるあの頭の悪さ!今思い出しただけで吹きそうなんだけど!あ、晶子にも見せてあげるね?」
真帆は興奮して話していた。顔は青ざめ、完全に引いている晶子が見えないくらいに狂っていた。
「そして桃!あいつ私を刺した理由が悠雅先輩の為だったんだって!?馬鹿にしてるよね!?