花瓶─狂気の恋─
真帆は晶子の手を強く握ると、晶子はそれを振り払った。驚きを隠せず口が開いていた真帆に晶子はキッと目付きを鋭くさせた。
「私も真帆の事を親友と思ってるから言う。真帆のやり方は間違ってる!!好きな人を手に入れるために人を殺すなんて....そんなの好きな人が喜ぶわけないし、絶対にしちゃいけない!幼稚園生でも分かることなんだよ!?」
「...だって殺さないとまた突っかかってくるじゃん。それでこっちが辛い思いしたら馬鹿じゃん。だったら永遠に黙らせれば」
「それだけの理由で命を消しちゃいけないの!!人の命は尊いの!!真帆、お願いだから自首して。罪を償って....これ以上道を外れちゃいけない!」
晶子は必死に言い寄るが真帆の心には全く響かず、それどころかクエスチョンマークが浮かんでくる。
「あんな害虫の命が尊いはずないよ。だって人の幸せを奪おうとしてるんだよ?死んで当然に決まってるじゃん。
それに先輩と付き合った時に変な横槍が入らないから、先輩は私だけを見てくれる。殺さなかったら邪魔されるんだよ?じゃあ手っ取り早く殺せばいいじゃん。簡単な話だよ?皆口に出さないだけで本当は思ってることなんだよ?」
「いいや...そんな事思ったことも無い。」