花瓶─狂気の恋─
「で、でもあの人には真帆がもうすぐ熟すって言ってた!他の人の死体を見た時のような衝撃が待ってるって言ってた!!」
「熟す...か....確かにそうだね。もうすぐで熟す...いや、咲くって言った方がいいかな?私と悠雅先輩との恋の花が咲くの!それも盛大に!あぁ楽しみ!想像するだけでおかしくなりそ〜。」
真帆は両手を広げて舞台上のバレリーナのように、優雅で楽しそうに回っていた。
晶子には疑問しか浮かんでこなかった。悠雅も恐らく拘束されている。そこまでして悠雅が真帆に好意を抱くはずもない。その上、大事な幼馴染を初めとして周りの人間に危害を与えている。
自分と泰河の事を使って脅して形上そうなったとしても、心の底から好意を抱いてくれないくらい真帆は分かるはずと晶子は確信してるが故に有り得なかった。
「そんなの無理に決まってるじゃん....こんなことして...」
「んふふ〜。しょうがないな〜。
晶子には特別に教えてあげる!泰河には通用しなくて悠雅先輩には通じる神がかりな方法!」
真帆は子供が楽しそうに自慢話をするかのように、無邪気にその方法を喋った。
それを聞いていくうちに晶子の顔から血の気が引いていく。真帆が語りだしたその方法はあまりにも酷すぎた。