花瓶─狂気の恋─
上手くいく以前の問題、もし仮に上手くその方法が終えても悠雅が真帆に好意を抱くことは決してない。
晶子はその狂気に満ちた悪魔の方法に鳥肌がゾゾゾッと立っていた。
「どう!この完璧な方法!これで悠雅先輩は私の事を愛せずにはいられない!私以外の人間に目もくれない程に!神様が与えてくれた最高のシナリオ!ご褒美!完全な愛の形だよ!」
「そんなの無理に決まってるじゃん!!やめて真帆!!そんな事したら悠雅先輩が死んじゃう!」
「死ぬ訳ないじゃん!泰河に適応しなくて残念だよ。でも嫉妬はダメだよ?だってこれは私と悠雅先輩だからこそできることなんだよ?」
真帆はまるで聞き入れてくれなかった。何故こんな悪魔じみた事を思い付くのか晶子には分からなかった。だが、ふとある事を思い出す。
「....真帆...その方法誰から教えて貰った?」
「ん?雫だよ?雫は本当に天才だと思うの!私だって思い付かなかったんだから!協力者が雫で良かったって心の底から思ったよ〜。」
晶子の予感は的中していた。そして確信する。
雫の狙い、熟すの意味を完全に理解した。
「真帆!その方法をやっちゃダメ!真帆と悠雅先輩はあの人に殺される!やっぱり真帆はあの人に操られてるんだよ!あの人の言う事を聞いちゃダメ!!」