花瓶─狂気の恋─
「あぁ〜分かったよ。それが晶子の答えなんだね。じゃあ仕方がないな〜。」
真帆はそう言うと晶子の裏手へ回り、晶子の口にタオルを巻き付けた。言葉が出なくなり、苦しくなるほどキツく結ばれてしまった。
「ん!」
「大丈夫だよ。晶子は殺しはしない。だけど、ちょっと調教が必要かな?これも雫の言った通り。予言者だったりするのかな〜?」
全ては雫の手の上での出来事、晶子は悔しくなって涙を流すと同時に雫は恨んだ。口に巻きついているタオルに噛みつき、目付きが鋭くなっていく。
あの人のせいだ!あの人のせいで真帆がおかしくなってしまった!真帆を返して!あの日常を返してよ!
そんな晶子の気持ちを知らない真帆は、鼻歌を歌いながら晶子の頭にヘッドホンを装着した。それも晶子の頭から離れないようにガッチリと拘束する。
ヘッドホンからは大音量で音が流れていて晶子の耳を刺激する。
『私は真帆の親友。私は真帆の親友。私は真帆の親友。私は真帆の親友。』
なにこれ!耳が痛い!やめて!やめてよ真帆!!
そう言葉に出したくてもタオルが邪魔をして出せずにいた。大音量で耳が痛くなっているのもあり、晶子は右手に刺された針に気付きもしなかった。