花瓶─狂気の恋─
そう言うと真帆は胸ポケットからある機器を取り出した。リストバンドと白く丸い機器がコードで繋がっているようものだった。
真帆は機器を悠雅の膝に、リストバンドを右手に装着しすると、膝を落として悠雅と同じ目線で顔を合わせた。
「怖がらなくていいですよ。これはただの嘘発見器なんで。これからする私の質問に全て"はい"で答えてくださいね。」
「は?嘘発見器?」
悠雅はポカーンとして呆れていた。真帆の異常性からして"好きと言ってくれるまで殴り続ける"とか"晶子を人質にして脅す"と残酷な方法を取ってくると悠雅は思っていた。
それがただの嘘発見器、あまりにも落差があり悠雅は意図が全く読めなかった。
「じゃあいきますね。悠雅先輩は私の事が好き!どうですか?」
今更なんでそんな事....まさか嘘発見器が鳴らないとでも思ってるのか?
呆然としている悠雅に、真帆は足元を揺さぶった。
「ほら先輩。答えてくださいよ。」
「...はい。」
ビーッ!ビーッ!
嘘発見器は悠雅の思いを正しく知らせてくれた。どこか改良して絶対に鳴らないようにされてるのかと心の端で思っていた悠雅はホッする。
「....これで分かっただろ?僕は」