花瓶─狂気の恋─
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真帆が絶命したのを確認すると、雫は深いため息を吐く。胸ポケットから白いリモコンを取り出し、悠雅を哀れんだ目で見つめた。
「これで約束は果たしたわよね悠雅君?痛み、苦しみ、真帆に対する恐怖も無くなったわ。真帆も真帆よね、嘘発見器は私が操作してたことに気付きもしないんだもの。まぁ、仕方がないか。」
雫はリモコンを捨て、代わりにカメラを取り出して真帆の結末をカメラへ収めようと二人にピントを合わせた。
そこで雫は初めて真帆と悠雅がキスをしていないことを気が付いた。
立ち位置からして真帆がキスをしたと思い込んでいた雫はその光景に唖然としていた。
「え?...真帆、あなたキス出来なかったの?ずっと想い続けてた悠雅君とのキスが....」
雫の中からピンク色の波が襲ってくる。ゾクゾクと身体に電流が走り、ガクガクと足は震え、同時に雫の脳は刺激され感情が高まっていく。
「拘束までして...両想いと確信していながらもキスが出来なかったの?....え?何それ?凄い劇的じゃない!
素晴らしい!!決して結ばれない愛、これがその形ということね!!アハ!アハハハハハハハハハ!!最高よ真帆!!貴女最高に輝いてるわよ!なんて悲劇的!なんて魅力的!たまらない...たまらないわあなた達!!」