花瓶─狂気の恋─
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千紗の家から帰ってきた真帆はすぐさま自分の部屋に駆け込んだ。鍵をつけ、自分だけの空間を作ると急いでスマホを起動し、インターネットで検索した。
真帆は驚愕し、手が震えた。今までの真帆の運の流れからして有り得ない程、順調。
ピースが次々に当てはまっていく。
真帆は開いた口が塞がらない状態で、勉強机に向かい、ノートを取り出した。
自分の計画を書き出し、そこから失敗してしまいそうな要因をいくつか出した。だが、それは全て埋まっていく。つまり確実に千紗を殺せることと同じ事だった。
「は...あは。あははははっ!何何?何コレ!あははははははっ!!凄い!凄すぎる!!」
真帆は歓喜で満たされた。二ヶ月という期間、我慢してきたストレスから解放される時が来たのだ。
決行日も近い、真帆は笑いが止まらなかった。
すると、真帆はクローゼットの中からダンボールを取り出した。その中には写真でぎっしり埋め尽くされていた。
そこに写っていたのはどれも悠雅の顔。真帆は悠雅の写真を撮っては、スマホから現像して保管していたのだ。
この二ヶ月を乗り切れたのはこの写真のおかげと彼女は確信していた。