花瓶─狂気の恋─
「お父さんゴルフの練習しにいくって言って朝から出掛けたわよ?本当に....ゴルフの何が面白いのかお母さんは全く分からないわ。折角の休日なんだからゆっくりすればいいのに...」
「あはは、言えてる。私も全然分かんないもん。」
千紗はテーブルに座ると、千紗の母親がラップが包んである野菜サラダを出てきた。
「え〜?これだけ?」
「そんなわけないでしょ?今からカレー温め直すから待ってなさい。」
千紗はドレッシングをドバっとかけると、母親は少し顔を険しくした。
「千紗....そんなにかけたらいつか病気になっちゃうよ?」
「はぁ〜い。」
気の抜けた返事をしながら、千紗はリモコンでテレビを付けた。そんな千紗に母親は少しながらため息を吐くが、千紗は気にもしなかった。
テレビのチャンネルはアニメが放送されていたが、画面端には警告の表示があった。
「あれ?今日だっけ?大型の台風くるの。」
「そうね〜。あっ、それならお父さん早く帰ってくるかしら?まぁ帰ってきたから何をするわけでもないけど。」
「あぁ〜大丈夫かな〜今日。」
「ん?どっか出掛けるの?」
「うん。真帆ちゃんの家に遊びに行く予定があるんだ。だけど...この台風じゃどうなんだろ?外もあんなんだし....」