私は、君のことが
「うっわ〜〜〜!!」
水族館に着いてから、穂純はずっとわーわー言っている。
「みて、エイだよー!笑ってる!」
隣の小学生と同じ反応をしている。
(まったく……ちびっ子じゃなくて、彼氏と見ろよ…)
大水槽の前ではしゃぐ穂純を、後ろの長椅子に座って見守る。
すとん、と高島健太が隣に腰を下ろした。
「何?彼女と戯れてきなよ」
ぶっきらぼうに吐き捨てると、ほんのり頬を染めながら高島健太は答えた。
「いや、穂純ちゃん、一人で楽しんでるし、俺ちょっと疲れたから……ここに居てもいいですか?」
(あぁ、そういうこと……)
幸い、穂純はまだ気づいていない。
「早く穂純と別れろ、ゲスが」
吐き捨てて、穂純に「トイレ行ってくる」と声をかけてから、レストルームへ向かった。