私は、君のことが
苛立った顔を元に戻してから、穂純の元へ行こうとレストルームから出ると、『staff only』の扉の前で、高島健太がコソコソと電話をしていた。
何してんの、と口を開きかけて、閉じた。
「どうしよう……雅先輩に作戦バレたかも。」
『は?何があったんだよ!?』
「わざわざ回り道しないで、正面から告れば良かったかも。
それなら、あのぶりっ子キモ女と付き合わなくて済んだし…」
このセリフで、私の中の何かが弾けた。
ズンズンと近づくと、高島健太は私に気づいて
「え、どうしたん……」
バキッ
思いっきり殴られた。
「え、な、なんで……」
高島健太は殴られた勢いで尻餅をついて、頬を手で押さえている。
「もう、穂純とは別れるってことで良いよね?さよなら。二度と顔を見せるな。」
これ以上ないくらいの軽蔑の目を向けてから、その場を去った。