私は、君のことが
(人を殴るって、結構痛いんだな)
体重をかけて本気でグーで殴ったので、右手がまだビリビリしている。
スタスタと大水槽の前に戻り、穂純の手を掴む。
「え、雅ちゃん?」
「帰ろ。」
それだけ言って、強引に連れ出そうとするが、穂純が抵抗する。
「ねえ穂純、話すことがあるんだけど…」
「いいの!」
キラキラと光る熱帯魚の前で、穂純は立ち止まり、顔を伏せた。
「わかってたの……健太君が、雅ちゃんのこと好きで、わたしのことはどうでもいいんだって…」
血の気がサッと引いた。
「いつから…?」
「本当に、最初から。委員会で知り合って、次に購買の前で会ったときにはもう、雅ちゃんのこと見てたから…」
一応、わたしはちゃんと健太君のこと好きだったんだけど、と泣きそうに笑う。
(もう、見てらんない。)
穂純の腕をぐっと引いて、自分の腕の中に閉じ込める。
「み、雅ちゃん!?」
「穂純の分まで、殴ってきたから。」
グズッと聞こえて、
「ありがと。」
と、微笑んだ。
ドクンッ………
あぁ………
高島健太と喋ってるのも、付き合うって言ったのも気に食わなかったのは、
私がーーーーー