私は、君のことが
しばらくして、非常灯以外の全ての照明が消えた。
ざわざわと騒ぐ声を切り裂くように、
風の音が聞こえてきた。
ヒューーー
ドォォォン!!!!
大輪の華
客席からの歓声
「わぁ……綺麗だねぇ」
穂純は呟き、目の中に花火を写す。
ヒューーーーーーーー
ドォォォォォォン!!!!!!
「……きだよ……」
「……え?雅ちゃん、何か言った?」
「ううん、何も?」
そう、何も言っていない。
はらはらと散っていく花火が、私みたいだと思った。