私は、君のことが


しばらくして、非常灯以外の全ての照明が消えた。








ざわざわと騒ぐ声を切り裂くように、


風の音が聞こえてきた。














ヒューーー













ドォォォン!!!!










大輪の華





客席からの歓声









「わぁ……綺麗だねぇ」




穂純は呟き、目の中に花火を写す。













ヒューーーーーーーー



















ドォォォォォォン!!!!!!
「……きだよ……」




















「……え?雅ちゃん、何か言った?」












「ううん、何も?」












そう、何も言っていない。













はらはらと散っていく花火が、私みたいだと思った。




< 16 / 18 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop