私は、君のことが


教室に戻ってから、いつものように2人で昼ごはんを食べる。





私はいつもお弁当だから、2人で挟んでいる1つの机を占領している。







……それにしても、穂純の食べ方はまさに、小動物のそれのように見える。





もきゅもきゅとほっぺを動かしているのもそうだが、

白い肌に茶色がかったフワフワした髪、チークしてるのかと疑うようなほんのり赤い頬。

くりっとした目には長いまつ毛が惜しみなくついている。




(本当に、人形みたい)






食べるのに夢中で、穂純は頬にチョコの塊を付けている。




(なんでそんな所にチョコがつくの…)




ついてるよ、と笑いながらチョコを取り、そのまま自分で食べる。





すると、だんだん穂純の顔が赤くなってきた。



「も、もーー!雅ちゃんみたいに綺麗なお方にそんなことされると緊張するの!!」



「はぁ?」




可愛い生き物に言われる褒め言葉ほど信用出来ないものはない。




「だって、雅ちゃんは色白くてスタイル良くて、背も高くて、髪も綺麗な黒髪ストレートロングでしょ!?顔小さくて目は切れ長で口は小さくて……」




なんか語りだしたので、無視して食事を再開した。





「ちょっと!ちゃんと聞いてる?」





もーー、と言いながらまた、もきゅもきゅと食べ始める。



「ていうか、毎日それ食べて飽きないの?」




「飽きないよー?ていうか、雅ちゃんもいつもお弁当に卵焼きと唐揚げは絶対入ってるじゃん!」





(……見ててくれてるんだ…)




何故かとても嬉しくなって、でも照れくさくて。



「余計なお世話」と可愛くないことを言ってしまった。



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