私は、君のことが
波乱の予感
翌日もまた、購買部へ向かって走っていた。
なんと、今日は1番乗りだった。
今日は母が「弁当作るのめんどくさい」といって500円玉を渡してきたので、私も購買部で弁当を買うことにしたのだ。
私が選んだのは、チキン南蛮弁当。
弁当部門では一番人気の商品だ。
2人ともお目当てのものを手に入れて、教室に戻ろうとしたとき、後ろからあの後輩君の声が聞こえてきた。
「うわーー!今日は負けてしまった…」
それを聞いて、穂純がすぐに反応する。
「へっへーん!やれば出来るのよ、やれば!」
ね!と私に同意を求めてくるので、適当に相槌を打つ。
「いや、俺はさっきまで体育だったんで!」
「体育は着替えるために5分前に終わるじゃん!」
(またはじまった…)
「先に戻ってもいい?」
「ええー!?雅ちゃん!?待ってよ!」
歩き始めた私について来ようとした穂純の腕を引き、後輩君が引き止めた。
「あの、穂純先輩…ちょっといいですか?」
「え…」
2人から私へ視線が送られる。
「先に食べてるから。」
そう言い残し、私は早くその場から出た。というか、出たかった。
(あれ、絶対告白じゃん…)
もやもやと黒いものが私を包み込む。
それは、しょうがないこと。
だって、穂純はあんなに可愛いんだもん。
後輩君……改め、高島健太(たかしま けんた)が好きになるのも頷ける。