私は、君のことが


部活も終わり、家に帰ってきた。






「ただいまー。」






「おかえり、遅かったね。」



キッチンから母が顔を出した。






「うん……バスが遅れてたから。」




「そう。」





どうでもいい、というように料理を再開する。





私も、もうどうでもいいや……















部屋に入ると、もわっと湿気た暑い空気に包まれた。










(もう、本当にどうでもいいや……)






その場に黒カバンとリュックを下ろし、ベッドに倒れこんだ。











(着替えなきゃ、制服シワになる……晩ご飯食べなきゃ……課題しなきゃ……)






でも、なにもやる気が出ない。










しばらくそのままの状態でいると、「ご飯食べるよー」と母が呼ぶ声が聞こえてきたので、ノロノロと起きて、動いた。














ご飯を食べて、風呂から上がった後スマホのメッセージを確認すると、穂純から2件入っていた。










『今週の日曜日、健太君と水族館に行くことになったんだけど…』



『緊張するから、一緒にきてくれない?健太君も良いよって言ってる』











いつの間に「健太君」と呼ぶようになったのか……







しかも、付き合いたてのカップルと一緒に水族館って……













絶対無理でしょ、と思いながらも、返信した。





















『分かった。どこに何時集合?』


< 8 / 18 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop