私は、君のことが
部活も終わり、家に帰ってきた。
「ただいまー。」
「おかえり、遅かったね。」
キッチンから母が顔を出した。
「うん……バスが遅れてたから。」
「そう。」
どうでもいい、というように料理を再開する。
私も、もうどうでもいいや……
部屋に入ると、もわっと湿気た暑い空気に包まれた。
(もう、本当にどうでもいいや……)
その場に黒カバンとリュックを下ろし、ベッドに倒れこんだ。
(着替えなきゃ、制服シワになる……晩ご飯食べなきゃ……課題しなきゃ……)
でも、なにもやる気が出ない。
しばらくそのままの状態でいると、「ご飯食べるよー」と母が呼ぶ声が聞こえてきたので、ノロノロと起きて、動いた。
ご飯を食べて、風呂から上がった後スマホのメッセージを確認すると、穂純から2件入っていた。
『今週の日曜日、健太君と水族館に行くことになったんだけど…』
『緊張するから、一緒にきてくれない?健太君も良いよって言ってる』
いつの間に「健太君」と呼ぶようになったのか……
しかも、付き合いたてのカップルと一緒に水族館って……
絶対無理でしょ、と思いながらも、返信した。
『分かった。どこに何時集合?』