【短完】七夕の夜、君へ目一杯の愛を叫ぶ
『…。』

名前を呼ぼうとして…。呼べない。

あれ?俺、この人の名前知らないのに……。

何となく知っている気がする、というような既視感に襲われる。

「ごめん…!」

未だに謝っている女の人。

泣いているはずなのに俺の布団は、どこも濡れていない。

涙を拭ってやりたくても、拭ってやれない。

体が、動かない。ただただ、傍観しているだけ。

あれ?この後、どうなるんだっけ?

毎回、このあとの記憶が無いんだ。
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