【短完】七夕の夜、君へ目一杯の愛を叫ぶ
途端に、眠気が襲ってくる。

ああ、そうだ。

いつも、女の人が泣いているのをひとしきり見たあとに、ものすごい眠気が襲ってくるんだった。

だけど、今年は違った。

眠くなったと思ったら、突然。

視界が白くなる。

明るく、眩しい。

「このまま、この光を見ていて。そしたら、戻れるから。

私は、もう、君の隣には居れないけど……。

一瞬、連れて行っちゃおうかな?って考えたけど……。

やっぱり、君には生きてほしいから。」

女の人が、俺にキスを落とす。

涙で、ぐちゃぐちゃの顔で笑う。

その途端に、体がさっきの金縛りが嘘のように動くようになる。

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