君と出会って
−1の4−

私達が予想していた通り、クラスメートは黒板の周りでザワついていた。



"マジかよ?"

"えー?!ありえんティ"

"ヤクザの孫なんだ…"

"誰が書いたんだよ?"


などと、不満の声が飛び交っていた。


『おはよー☆☆』


そんな中、何も知らないフリをして教室に入った。


「おはよ!!見てよ、黒板!!マジなのかな?」



1番最初に話し掛けて来たのは、あーちゃん。


「え!?絵麻のおじいちゃんヤクザなの?!」


私は、知らないフリをし続けていた。


「まじで!?うわ〜…俺にたかってたハエって、ヤクザの孫かよ〜!!マジ怖ッ…」


「啓斗くんにたかってたハエって…絵麻?」


「あぁ…俺のストーカー女なんだよアイツ。」


"高倉くんかわいそー"

"お嬢様って怖ッ…"

"学校、くんなよアイツ"


と、ざわつき始めた。



すると…

−ガラガラッ。


『…』


皆が静まり返った。そして沈黙した。



「…皆さん、どうされましたの?」


「…お前、ヤクザの孫?」


「でしたら、何か?私は、大富豪ですのよ!!そんなハズありません。」


「…じゃあコレ、嘘か?」


「…ぇ…」


聞いたのは啓斗だった。しかも、絵麻も黙っちゃったし…



"答えろや!!"

"何とか言いなさい!!"

"黙ったって事は…"

"そーゆーことね。"


皆に責められる"絵麻"。どーすんだろ…


『答えらんねーの?』


…啓斗。なんか目が怖いよ…


「…だったら、何だ!!答えらんねーんだったら何だよ!?」



…絵麻の…本性が…皆に…バレる。


「あらまー。もぉ確定しちゃったね?(笑)」


教室の空気がィャ…


「…孫だから何?絵麻は、普通でしょ?」


「あぁ。普通だけど?ヤクザの孫とか危ねーじゃん。」


(そーだよな!!)

(何とか言え。)

(マジ怖いィ〜!)



「…ねぇ皆。答えてくれるまで待と?そんな責めちゃダメだよ。」
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