君と出会って
−帰り道−


「…啓斗?」


「ん?…まな、そんな顔すんな!!」


「へ?…ゴメン。」


「まなは、笑ってろ?」


「ぅんッ!!」


なんか安心したぁ…
しっかり啓斗と会話出来てる☆


「…でさぁ…」


「ん?」


「…さっき只木に抱きしめられてたろ?」


「…ぇ…」


何で知ってるの?!
もしかして…全部…見てた?


「…抱きしめられてたよな?」


「…ぅん。励ましてくれたんだ。啓斗のことで」


「…むやみに近付くなよ。」


啓斗は、何でそんなこと言うのだろう?
…歩のこと嫌いなのかな?


「分かったよ。」


今は、黙って言うこと聞こう。


「もしヘンなことされたら、すぐに言えよ?」


「大丈夫だって!!」



『なぁ。まなの気持ちも考えろよ!!』



私は、気付かなかった。歩が後ろに居たことが。



「…やっぱ歩、居たんだな?」


『ホントは、気付いてたくせに。』


「…何で居るの?」


『まなの気持ちを教えに来たから?フフッ』


「そんなの知ってるし。ホントは、違うだろ?」


二人共…何の話してるんだろー??


『…まぁね〜。沙有実のことで…』


さゆみ?…誰だろ?


「沙有実がどーかした?」


『何か、病気が悪化して大変らしいよ…』


「ねぇ…"さゆみ"って?」


『俺らの元カノかな。』



聞かない方が良かったかな…


「じゃあ…子供は?」


『…無事に生まれたよ。
"絵奈"だって。』


え?!…子供??
誰の…?


「…三浦 絵奈か。良かったな生まれて。」


『あぁ。可愛かったよ…勇真が父親とか、考えたくないけどな…』


「…勇真に父親が出来んのかなぁ?」


「…二人共。私、居ない方がィィ?」


「居て?まなにも話さなきゃだからね。」


『隠してても仕方ないしさ…』


私に、話さなきゃならない様なこと?
何だろ?


「分かった…」
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