君と出会って
「…はぁ〜あ。沙有実が隣に歩いてると楽しいのにな…」


俺は、しぶしぶ家に帰った。


「…ただいま。」


「お帰り。また彼女と帰って来たの?」


「…まぁ。姉ちゃん、カンが鋭いね。」


「まぁね。弟のことだし。」


俺の家庭は、父親が居ない。


俺が4歳の時に離婚したらしい。だから、父ちゃんの顔なんて覚えてない。


「なぁ晩飯は?」


「今日は、オムライスだよ☆」


「オムライスか。」


おまけに、母ちゃんが帰って来るのが遅い。

夕飯とかは、全部姉ちゃんがやってんだ。


「今度さぁ、彼女連れて来れば?」


「はぁ??何言ってんだよ。まぁ…そのうち。」


「楽しみ〜(笑)」


「うっせーな。俺の彼女なんだから、気安く関わんなよ?」


「…はいはい。じゃあ約束してよ?彼女が出来たら、家に絶対連れて来るって!!」


「…りょーかい。」


ったく…いちいちめんどくせぇ姉ちゃんだな。
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