君と出会って

｢泣いてるのか？・・・そりゃ、泣かないワケねーよな。｣


｢・・・ｸﾞｽｯ。｣


沙有実さんは、
小さくうなずいた。


｢今は、思いっきり泣いてィィから。ココに居てやるからな。｣


｢あ・・・りがと。でも、まなチャンは？｣


｢あいつなら大丈夫だよ。友達なぐさめてるから。｣

｢そっか。｣


その時、
啓斗は引っ掛かっている事があった。


それは、
沙有実さんが涙を使うのが上手かったとゆう事。

中２の頃の話だから、
今は分かんないけど。


｢啓ｸﾝ、どーかした？｣


｢え？あぁ、ゴメンな。何でもないよ！！｣


｢・・・啓ｸーﾝ！！｣


（バサッ！！）


｢ちょっ・・・お前！！何してんだよ？！｣


｢だってぇー！！啓ｸﾝしか頼れないんだもぉーん。ｸﾞｽｯ｣


｢だからって・・・だからって！！いきなり抱き着くなよ！！俺はお前の彼氏ぢゃねんだよ！！｣


｢啓ｸﾝ・・・まだ好きだよ。｣


｢ふざけんな。俺にくっついてても助けてやんねーぞ？！｣


｢ヒドイよ・・・あたしの事、大切にしてよ・・・おしおき。｣


（チュッ。）


｢は？！てめぇな。なんなんだよ？｣


啓斗は、
かなり怒っていた。


｢赤ちゃんのパパになって下さい・・・｣


沙有実さんは
土下座した。

でも・・・


｢当たり前にムリ。俺は、まなと子供作りたい！！｣

私は、
聞いてしまった、
啓斗の発言を。
嬉しくて・・・
涙が溢れた。

と、同時に
沙有実さんへの
怒りを感じた。

だから
私は言ってやったんだ！！


『調子にのらないでよ！！私の婚約者を取らないで・・・沙有実さんは、元カノぢゃないの？・・・』

って。
最後のあたりで
涙が溢れちゃったけど。