four seasons〜僕らの日々〜
秋〜おとぎ話とお姫様〜
「ーーーそして、白雪姫は王子様と幸せに暮らしましたとさ。おしまい」

お父さんが本を閉じると、女の子は目を輝かせた。

「もう一回読んで!」

お父さんは少し困った顔で微笑むと、「お姫様が好きなの?」と女の子に訊ねた。

「うん!好き!」

女の子は明るい笑顔を見せた。

心の景色が変わっていく。

少女の目の前が輝き、一冊の本が現れた。少女は微笑むと背後にある大きな本棚にしまった。

「いつかお姫様になって、王子様とお城で暮らすの〜!!」

女の子が笑うと、少女の着ている服も変わった。白いワンピースがオレンジ色のドレスになった。

「すてき……!」

少女はさっき現れた本を手に取る。その本のタイトルは『おとぎ話』。

少女の耳に女の子の笑い声が響く。少女は優しく微笑んだ。
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