four seasons〜僕らの日々〜
「……椿ちゃん?」

美桜が心配そうな顔で椿を見つめた。長い間ずっと見つめていたらしい。

「あっ、ごめん!美桜がかわいいからつい……」

慌てて謝ると、美桜は一瞬キョトンとした顔をして言った。

「椿ちゃんの方がかわいいよ!」

「そんなことないよ!だって美桜はオシャレだし…。私、いっつもズボンだよ?」

予想外の答えに椿は戸惑う。美桜は真面目な顔で続けた。

「でも、椿ちゃんは明るくて、誰にでも声をかけられて、友達がたくさんいてすごく羨ましいんだ。私はちょっと人見知りだから、椿ちゃんが憧れです」

えへへ、とかわいい顔を見せる美桜を見て、椿は大声で否定したくなった。

私はそんな人じゃない!大好きな人を縛ってしまう最低な人なの!!

そう叫びたい衝動をぐっとこらえる。

「椿ちゃんは飲み物、どうする?」

何も知らない美桜の質問に、椿は慌てて答えた。
< 136 / 280 >

この作品をシェア

pagetop