four seasons〜僕らの日々〜
お父さん、私、こんな人になりたかった!愛されたかったの……!

心の中で叫び続けた。

おとぎ話のように、幸せに暮らせることを願った。お姫様のように愛されて、大切にされたかった。

お城は大きくて広い。でもたくさんの人にきっとあふれている。椿の家は狭いのに、悲しくて寂しい。

お姫様は必要とされる。椿は自分に問いかける。私を必要とする人はいるの?

私の見つけた王子様は、別の人を好きになった。私は、お姫様ではなく王子様を捕らえている魔女ーーー。

椿の耳に、懐かしい声が聞こえた。

「もう知ってるだろ?あとはお前が言うだけだ」

「……うん」

果てしない涙の中で、ほんの少し幸せが隠れていた。
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