four seasons〜僕らの日々〜
「大丈夫!椿ならできるよ。だって、劇の練習だけでも忙しいのに、一生懸命手話の練習をしてきたんだから!」

「あ、ありがと…」

真面目な顔でそう言われ、椿はドキドキしながら言った。それと同時に、自分のことを見てくれる人がいるんだと嬉しくなる。

緊張が少しほぐれた。

「みんな!練習の成果を発揮しよう!!」

椿が明るく言うと、蓮たちの顔に笑顔が浮かぶ。

「おお〜!!」

舞台裏で円陣を組んだあと、司会の声が耳に届く。

「次は一年生たちによる手話ソングです!」

歓声と拍手がわき起こる。

「蓮くん!翔くん!」

「二人ともかっこいい〜!」

女子の声があちこちから聞こえる。

蓮はお辞儀をしたりするが、翔は無反応だ。

「この歌は誰の歌なんですか?」

司会者が訊ねる。椿が答えた。

「この歌は蓮が作りました!蓮は作詞作曲が好きなんです」
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