four seasons〜僕らの日々〜
そんな男の子の心を支えたのは、同じクラスの夏樹ちゃんだった。

長い髪をいつもいろんな髪型にしていて、同じ髪型で登校して来たことなどない。服もブランド物を着ていて、女子力の高いみんなの人気者だ。

夏樹ちゃんは、男の子の家での話をよく聞いてくれた。辛すぎて泣いてしまった時は、優しく背中をさすってくれた。

そんな優しい夏樹ちゃんに、男の子は少しずつ惹かれて行った。

夏樹ちゃんといる時だけ、心は穏やかになるようになった。少年は驚いた。

雪が少し溶けて、緑の芽が、夏樹ちゃんといる時だけ姿を見せるからだ。

少年はその芽を『初恋』と呼んだ。

しかし、いつだって幸せは泡のように消えていく。

放課後の校舎裏で、誰かの叫び声がするのをを男の子は聞いた。

急いでそこに向かうと、一人の女子を複数の女子がいじめていた。

「あんたキモい!学校、来なくていいから」

そう言う声に、心臓がドクンと音をたてる。嫌だ!そう否定しても真実は変わらない。

いじめているのは、夏樹ちゃんだった。
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