four seasons〜僕らの日々〜
前まで仲良く話していた椿と蓮は、最初から何もなかったかのように、一言も話さない。その様子を見て、美桜は不思議そうな顔をしていた。

翔の胸の中で、胸騒ぎが大きくなっていく。また美桜が泣いてしまうのではないか。美桜の笑顔を見るたびに、翔はそう思ってしまった。



不安は的中した。

その日の放課後、翔は心配になり美桜の後をついて行った。美桜はいつも通り旧校舎へと足早に向かう。

音楽室のドアを美桜が開け、中に入った。一瞬だが、ピアノの椅子に暗い顔で座る蓮が見えた。

音楽室のドアに近づき、二人の会話に耳を傾ける。人の会話を盗み聞きするなど、失礼すぎると思うが、それだけ美桜のことが心配だった。

「……蓮くん、どうしたの?どこか具合でも悪い?」

「いや…大丈夫…」

心配そうに訊ねる美桜に、弱々しく蓮は答えた。

「……美桜ちゃん」

「何?」
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