four seasons〜僕らの日々〜
小さなアパートの翔の部屋は、最低限の生活用品以外、何もなかった。翔には好きなことがない。よく本を読んでいるが、それは暇つぶしであって好きでしているわけではない。料理を作ったりするのも必要だからしているだけであって、翔が好きでしているわけではない。
しかし、そんな部屋に生活用品以外の物が増えた。
翔は読んでいる本を閉じ、分厚い緑色の辞典に手を伸ばす。それは『手話の辞典』。
その辞典をめくり、調べたい単語を探す。そしてしばらく練習してから、翔は出かける支度を始めた。
「初詣に行こう」
そう小さく呟いた。
初詣といえば、一年で最初の行事だが、翔は何年も行ったことがなかった。翔にとってクリスマスもお正月も特別な日ではなく、普通の日だったからだ。
神社には人が集まっていて、普段と違い活気がある。
翔が流されるように歩いていると、見慣れた後ろ姿を見つけた。赤い着物を着て、青い着物の女の人と一緒に歩いている。翔は迷わずにその肩を叩いた。細い肩がびくりと一瞬震える。
「あっ…!翔くん…!」
美桜は振り向くと、驚いた表情で翔を見つめた。
「えっ?なになに?あんたのカレシ?」
青い着物の女の人がニヤニヤしながら、美桜を見る。美桜は首を真っ赤にしながら首を横に振った。それが少し翔は悲しかった。
「友達の翔くん。翔くん、この人は私のお姉ちゃん」
「初めまして。松井翔です」
翔はお姉ちゃんに頭を下げた。
「よろしく〜!妹と仲良くしてくれてありがとう!」
お姉ちゃんはそう言って笑う。その表情が美桜に似ていて、姉妹なんだなと翔は強く感じた。
しかし、そんな部屋に生活用品以外の物が増えた。
翔は読んでいる本を閉じ、分厚い緑色の辞典に手を伸ばす。それは『手話の辞典』。
その辞典をめくり、調べたい単語を探す。そしてしばらく練習してから、翔は出かける支度を始めた。
「初詣に行こう」
そう小さく呟いた。
初詣といえば、一年で最初の行事だが、翔は何年も行ったことがなかった。翔にとってクリスマスもお正月も特別な日ではなく、普通の日だったからだ。
神社には人が集まっていて、普段と違い活気がある。
翔が流されるように歩いていると、見慣れた後ろ姿を見つけた。赤い着物を着て、青い着物の女の人と一緒に歩いている。翔は迷わずにその肩を叩いた。細い肩がびくりと一瞬震える。
「あっ…!翔くん…!」
美桜は振り向くと、驚いた表情で翔を見つめた。
「えっ?なになに?あんたのカレシ?」
青い着物の女の人がニヤニヤしながら、美桜を見る。美桜は首を真っ赤にしながら首を横に振った。それが少し翔は悲しかった。
「友達の翔くん。翔くん、この人は私のお姉ちゃん」
「初めまして。松井翔です」
翔はお姉ちゃんに頭を下げた。
「よろしく〜!妹と仲良くしてくれてありがとう!」
お姉ちゃんはそう言って笑う。その表情が美桜に似ていて、姉妹なんだなと翔は強く感じた。