four seasons〜僕らの日々〜
トイレは少し混んでいた。少し待って、美桜は個室に入ることができた。

急いでトイレから出て、蓮のいる場所へと向かう。しかし、足が途中で止まった。

「……ここ、どこ？」

周りを見るが、自分がどこにいるのかわからない。幸せな気持ちは一瞬で消え、不安だけが胸に溜まっていく。

周りを見れば、楽しそうに笑う家族連れやカップルたちの姿。さっきまで自分もそうだったのが嘘のようだ。

「どうしよう…どうしよう…。蓮くん！どこ？」

目の前が涙でぼやける。美桜は不安で呼吸が荒くなった。周りを何度も見るが、蓮の姿はない。

慌ててかばんの中からスマホを取り出し、美桜は震える手で蓮に電話をかけた。すぐに蓮は出た。

『美桜ちゃん！どうしたの？』

美桜からの電話に、蓮は動揺していた。

『…今、自分がどこにいるのかわからないの。……どうしよう……私……』

泣き出しそうな震える声で、美桜は言った。

『落ち着いて！僕が必ず見つける。美桜ちゃんのところに行く！何が近くにあるか、教えて？』

蓮の力強く優しい声に、美桜は少し安心することができた。深呼吸をし、周りを見る。
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