four seasons〜僕らの日々〜
『お化け屋敷がすぐ近くにあるよ。あとは、ジェットコースターとバイキングがある』

『……わかった。すぐに行くから、そこで待っててくれる?』

『うん!』

蓮は電話を切らずに、美桜に話しかけ続けた。それが嬉しかった。電話を切ればまた不安になってしまうと思った。蓮との何気ない会話に、安心して幸せだった。安心して待つことができた。

「美桜ちゃん!!」

蓮の声が後ろから聞こえ、美桜は振り返る。蓮が走ってこちらに向かっていた。

「蓮くん!!」

安心した美桜の目から涙がこぼれる。蓮のもとへと走り、美桜は蓮に抱きついた。

「み、美桜ちゃん!?」

蓮の動揺した声が愛しいと美桜は思った。力いっぱい抱きしめる。周りの目なんてどうでもよかった。

「ありがとう!ありがとう!」

泣きながら、何度も美桜は言う。最初は動揺していた蓮も美桜の頭を優しく撫でた。

「美桜ちゃんが無事でよかったよ」

「…ごめんなさい」

「でも、僕走り回っていたから汗かいてると思うんだけど……」

「そんなの何とも思ってないよ」
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